松木 秀歌集『色の濃い川』


・パドックを歩いてる鳩その横をマジカルビアンカなる馬通る

・昆虫の標本を見るうつくしい屍骸が好きな人だっている

・生きていていいのでしょうか答えずに北海道の葉桜しずか

・そこは夏でもひんやりとしてわたくしは納骨堂ただ一人の生者

・光にさえもやさしくなれるからこの三日月を消さないで雲

・途中から津軽三味線に変わりたりハープのような風であったが

・馬走り1コーナーを過ぎるころ静かにゲートかたづける人


   青磁社発行 松木 秀歌集『色の濃い川』より



批評性のある歌が多かった
松木秀さんの第四歌集『色の濃い川』
大抵の歌に、現代社会への辛辣な皮肉が潜んでいるが、
気質的にも精神的にも、
世界との違和感を生じやすい接触面で、
ハレーションを起こすことが多いようだ。

透明な文学性のある歌に魅力がある。
寂滅への予感と憧憬が、
根底に流れていて、
薄青い寂寞の果てに、
光明は兆しているのかもしれない。

生死を超えた世界に詩は輝くもの。
軽やかな文体を翼に、
なお飛翔する感性。

生き難い残生の短さを思うより、
刻の間にも書ける短歌という道具を生かして、
言の葉を紡いでいただきたいと願う。


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